日本郵船、液化アンモニア2.3万tの船間移送に成功

日本郵船、液化アンモニア2.3万tの船間移送に成功

脱炭素エネルギーとして需要増に対応

日本郵船は9月24日、同社が保有し三井物産に定期用船中のアンモニア輸送船「BERLIAN EKUATOR」が9月2日、スペイン・セウタ沖の公海上で、大手アンモニアトレーダーの米Trammo(トラモ)が運航するアンモニア輸送船「ECO ENCHANTED」に、船から船へ直接供給するShip to Ship(STS)方式で液化アンモニア約2万3000tの大規模移送に成功したと発表した。


大規模移送を実施している「BERLIAN EKUATOR」(右)と「ECO ENCHANTED」



日本郵船はこれまで、重油や液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)でSTS方式による移送実績があるが、液化アンモニアは今回が初めて。

STSの分野で豊富な経験を持つTrammo、マルタのSTS専門業者International Fender Providers(インターナショナル・フェンダー・プロバイダーズ)の協力を得て、「BERLIAN EKUATOR」に貨物として積載していた液化アンモニア約2万3000tを全て安全に移送できたという。


液化アンモニアの移送オペレーションの様子

アンモニアは、既存の肥料・化学品用途に加えて、燃焼時にCO2を排出しないため、脱炭素につながるエネルギー源と期待が高まっており、船舶燃料など多様な用途で実用化の動きが加速している。

今後の需要増加が見込まれる中、従来の陸上への荷役方式と比較して、港湾の規模や陸上設備の制約を受けないSTS方式は柔軟性の高い供給手段として注目されており、日本郵船も今回の成功を生かして普及を目指す。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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