グローバルで需要拡大見込まれるのに対応
三菱電機子会社で車両用機器の開発などを手掛ける三菱電機モビリティは12月23日、運転中のドライバーのわき見や居眠りを検知し、安心安全な運転を支援するDriver Monitoring System(DMS)事業の拡大に向け、オーストラリアでDMSソフトウエアを手掛けるSeeing Machines(シーイングマシーンズ)と資本・業務提携したと発表した。
三菱電機モビリティが4000万ポンド(約80億円)を出資。シーイングマシーンズが12月23日に実施した第三者割当増資を引き受けた後、12月24日に既存株主が保有する株式を追加取得して出資比率を19.9%まで高める予定。
DMSは事故防止への有用性から、欧州では2026年に新車への搭載を義務化。その他主要市場でも規制化の動きが出ており、今後世界的に市場の急拡大が見込まれている。
併せて、車両のSDV化(双方向通信機能の搭載で車両購入後もソフトウエアの刷新など機能を高めることが可能になること)進展に伴い、DMSの供給形態はハードウエアとソフトウエアが一体となっ
たコンポーネントビジネスだけでなく、ソフトウエア単体ビジネスが拡大するとみられ、柔軟な供給形態への対応力が必要となっている。
Seeing Machinesは画像処理による顔向きや視線などの検出を高精度で実現する基本センシング技術が強み。提携で連携を強化し、三菱電機モビリティが持つ漫然運転や乗員の体調異常などを車載環境で高度に状態推定する技術と組み合わせ、DMS市場で事業拡大を図る。
三菱電機モビリティは提携を通じて今後伸びが見込まれるソフトウエア単体ビジネスへの対応力強化や、シーイングマシーンズが取り組んでいる運送業者などの法人向けビジネスへの販売支援を手掛ける。
(藤原秀行)