飲料や食品も、全面的な正常化は依然めど不明
アサヒグループホールディングス(GHD)は10月8日、サイバー攻撃を受けてシステムが停止している件に関し、同社から流出した疑いのある情報をインターネット上で確認したと発表した。
具体的な情報の内容や範囲は調査中という。同社は「調査結果に基づいて、情報漏えいの影響が確認された場合には、速やかにお知らせする」と説明。今回の攻撃は日本国内のシステムに影響を与えているが、海外のシステムは現時点で影響を受けていないという。
サイバー攻撃に関しては、「Qilin」(キリン)と自称するハッカー集団が、匿名性が高いインターネット空間「ダークウェブ」で犯行声明を発表したが、実際に攻撃したかどうかは確認が取れていない。
アサヒGHDは、アサヒビール全6工場の製造は10月2日に再開しており、主力製品の「スーパードライ」の出荷を一部再開したと説明。10月15日には「アサヒ生ビール」「スタイルフリー」「クリアアサヒ」「ドライゼロ」「ブラックニッカクリア」などの出荷を一部再開するなど、復旧に向けた対応を進めていると明らかにしている。
また、アサヒ飲料は10月8日時点で、6工場(群馬、富士山、富士吉田、北陸、明石、六甲)で製造を一部再開。10月9日からは岡山工場を含む全7工場で製造を一部再開すると説明している。
アサヒグループ食品の全7工場は10月8日時点で、製造を一部再開しているという。
全面的な復旧・正常化のめどはいまだ不明。
(藤原秀行)