空港周辺上空のドローン飛行、恒久的に禁止へ

空港周辺上空のドローン飛行、恒久的に禁止へ

政府の関係省庁会議で確認、ダムやコンビナートは検討継続

政府は12月18日、首相官邸で「小型無人機に関する関係省庁連絡会議」を開いた。ドローン(無人飛行機)の安全飛行確保に向け、新たに空港周辺の上空でドローンを飛ばすことを恒久的に禁止する方針を確認した。

現在は小型無人機等飛行禁止法で、首相官邸や皇居、外国公館、原子力発電所、自衛隊や米軍の施設などの上空でドローンを飛ばすことを禁じている。併せて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの大会期間までの時限措置として、五輪大会の関係施設や国内主要国際空港も禁止対象に加えている。違反したドローンに対しては、警察官らが飛行停止を命じたり、迎撃用ドローンを使って捕捉したりすることを認めている。

海外の空港で不審なドローンが飛来し、滑走路の一時閉鎖に追い込まれる事態が相次いで起きていることなどを踏まえ、空港の機能が停止すれば社会的・経済的な影響が大きいと判断。同法を改正し、空港に関しては恒久的な禁止対象施設に変更する方向だ。20年の通常国会に同法改正案を提出する見込み。

会議では併せて、ダムやコンビナートといった重要なインフラ設備に関しても、飛行禁止の対象に加えるかどうか検討を続けることで一致した。

所有者や使用者の情報登録制度導入も決定

また、ドローンの所有者などの情報登録を義務付ける制度を早期に導入することも決めた。所有者や使用者の住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどをインターネット経由で申請、飛行時は発行された番号を機体に表示するよう義務付ける見通し。墜落などのトラブルが発生した場合、すぐに所有者や使用者を特定できるようにし、早急な再発防止策の実施につなげる。

政府は登録制度創設を盛り込んだ航空法改正案を20年の通常国会に提出したい考え。

関連記事:ドローンの機体登録制導入を検討、違反時の罰金設定も視野

(藤原秀行)

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