フォワーディングやロジスティクスは対象外
日本郵政は11月5日、傘下でオーストラリアの国際郵便大手トールホールディングスが、赤字が続いているエクスプレス事業の売却を検討する方針を決定したと発表した。売却交渉をサポートするファイナンシャルアドバイザーにJPモルガン証券と野村證券を選定した。
日本郵政は「現時点で売却取引が実施される確証はない」と強調。フォワーディングやロジスティクスの事業は売却検討の対象には含まれていないと説明している。
トールは国際物流を強化するため日本郵政が2015年に約6200億円を投じて買収したが、業績の不振が続いている。
トールのエクスプレス事業はトールがオーストラリアやニュージーランドに展開している物流ネットワークを活用し、陸送や海上輸送、航空貨物などを手掛けている。20年3月期の営業収益(売上高に相当)は29億6900万豪ドル(約2230億円)、営業損益(EBIT)は1億豪ドル(約75億円)の赤字だった。21年3月期の第1四半期(4~6月)も1億1000万豪ドル(約83億円)の赤字に陥っている。
(藤原秀行)