JUIDAがISO総会出席者ら歓迎パーティー開催
ドローン(小型無人機)の物流などへの利用促進を目指す日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は11月26日、東京都内で同日から行われている国際標準化機構(ISO)の総会「ISO/TC20/SC16」出席者ら約60人を招き、レセプションパーティーを開いた。
同総会は日本で初めて開催。今月30日までの予定で、ドローンの安全性評価や運用ルール、教育訓練の認証などの分野ごとに国際標準の策定を目指して議論しており、米国や英国、中国、韓国、ロシアなどからメンバーが参加。JUIDAも参加している。
パーティーでは冒頭、主催者を代表してISO国内委員長を兼務する鈴木真二JUIDA理事長(東大大学院教授)があいさつし、「ドローンの利用を後押しする上でルールなどの国際標準化は非常に重要な取り組み」と同総会開催の意義を強調するとともに、参加者に謝意を表明。
「JUIDAとしてもドローンの利用発展に努めてきたが、日本ではいまだに危険だとのイメージも残っている。標準化の議論を通じてそうした課題を克服していきたい」と語り、ドローンに関連する多様な規格の国際標準化を後押しすることに意欲を示した。
冒頭にレセプション主催者を代表してあいさつする鈴木理事長
日本でISOを主管する経済産業省からは産業技術環境局国際標準課の黒田浩司統括基準認証推進官が参加し、「標準化にさらに貢献しているよう努めていきたい」と強調。
「ISO/TC20/SC16」のジョン・ウォーカー議長も登壇し、「鈴木理事長らのリーダーシップに感謝する。われわれが議論しているテーマは世界中にとって意義深いものだと考えている」と語り、今回の会議で議論を進展させたいとの思いを示した。
登壇する黒田氏とウォーカー議長
野波氏「数年以内に自分で意思決定するドローン登場」と予測
商業用ドローンの開発などを手掛けるベンチャー、自律制御システム研究所の野波健蔵代表取締役(ISO国内委員会副委員長、千葉大名誉教授)は日本郵便が今年11月に福島県の郵便局間で初めてドローンによる“目視外・補助者なし”の荷物輸送を試験的に始めたことなどに言及。「同社は来年4月には郵便物の配達にドローンを使いたいと話している。楽天も既にドローンでローソンと組んで商品を届ける試みをしている。日本のドローンとその利用シーンは進化している」と来場者にアピールした。
その上で「個人的には数年後、事前のプログラムなどは不要で、自分自身で意思決定をして自律航行できるドローンが登場すると夢見ている」と持論を展開、会場から拍手が送られた。
ドローンの進化で持論を展開する野波氏
(藤原秀行)