30年までにグローバルで1兆円の取り扱い規模目指す
インターネットを活用した金属加工仲介サービス「CADDi(キャディ)」を手掛けるスタートアップ企業のキャディ(東京都台東区蔵前)は8月24日、ベンチャーキャピタルなどからシリーズB(経営が軌道に乗り安定化した段階)として総額80・3億円の資金を調達したと発表した。
既に出資しているグロービズ・キャピタル・パートナーズ、WiL、DCM Ventures、グローバル・ブレインに加え、海外投資家のDST Globalのパートナー陣やArena Holdings、Minerva Growth Partners、Tybourne Capital Managementなど新たに6社が引受先として参加。累計調達額は99・3億円に達した。
併せて、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行のメガ3行から25億円の追加融資枠も確保。今冬には製造業系の企業を対象にしたエクステンションラウンド(追加拡張投資)も予定している。
CADDiは産業機械メーカーやプラントメーカーから、板金や切削、製缶を主とする特注加工品一式の発注を受け、品質保証も含めた一貫生産を請け負う。複数業界を横断して需給をリバランスし、高品質な部品を最短で供給。直近の4~6月の受注高は前年同期比約6倍に成長し、急激な案件増加に対応するため東西の品質管理センターの増床(関東は2・8倍、関西は6・6倍)を7月までに完了した。
調達した資金はグローバルも含めた人材採用やCADDiの開発、新規事業に充てる予定。受発注にとどまらず、設計から製造・物流・販売までのバリューチェーン全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、製造業のデジタル化におけるデファクトスタンダードを構築、2030年までにグローバルで1兆円の取り扱い規模に成長することを目指す。
(藤原秀行)※ロゴマークはキャディ提供