次世代航空事業者のリスク管理を標準化、安全性確保後押し図る
東京海上日動火災保険と三菱総合研究所は2月9日、両社が共同で事務局を務める「空飛ぶクルマ・産業用ドローン事業におけるリスクマネジメント検討会」(座長・藤田友敬東京大学大学院法学政治学研究科教授)が、産業用ドローンなど無人航空機の運航に関するリスクを評価し、実用化・事業化へ対策を講じられるようにする「空飛ぶクルマ・産業用ドローン事業におけるリスクマネジメントチェックブック」を無償で公開すると発表した。
検討会は2021年度に東京海上日動が提唱して発足。民間企業や研究機関、法曹関係者ら多面的な産官学が連携し合い、国内外で進展するドローンや空飛ぶクルマの実用化・事業化に向けた環境を整備するため、リスクを網羅的に列挙・整理した基礎資料の作成を検討してきた。
チェックブックは、国内の民間事業者が無人航空機または空飛ぶクルマを運航するに当たり、発生し得るリスクを以下の項目ごとに把握し、対策を行えるようにするのが狙い。5分類、約200のチェック項目で構成している。
https://www.drone-flyingcar-riskmanagement.jp/
(両社提供)
- 安全管理体制の定期的な確認
運航事業者の安全管理体制が確保されているか - 地上リスク(地上の被侵害利益)
無人航空機および部品や積載物が落下した場合に地上に及ぼし得るリスク - 空中リスク(その他の航空機)
有人航空機やそのほかの無人航空機をはじめ飛行体との空中衝突につながり得るリスク - 運航におけるその他の第三者権利の侵害リスク
プライバシーおよび財務など、第三者の権利の侵害を含むリスク - その他の事業者自身にとってのリスク
運用を行う上で事業者に財務面で発生する損失など、事業者の運航リスク
(藤原秀行)