エアロセンス、VTOL型ドローン活用し熊本・久連子川で砂防施設点検の効率化へ飛行試験

エアロセンス、VTOL型ドローン活用し熊本・久連子川で砂防施設点検の効率化へ飛行試験

約13kmを13分で完遂

エアロセンスは3月17日、VTOL(垂直離着陸型固定翼)型ドローン「エアロボウイング」を活用し、熊本県八代市泉町の久連子川流域で砂防堰堤や山腹崩壊などの状況を確認するため、飛行試験を実施したと発表した。


離発着所の久連子古代の里から飛行するVTOL型ドローン「エアロボウイング」

6基の砂防堰堤を一度に確認するために飛行した約13kmの所要時間は13分と、巡視作業員が実際に行う点検の場合1~2日かかる作業をVTOL型ドローンが担ったことで、大幅な時間短縮を確認した。また、豪雨や地震などで砂防施設までのアクセスが困難な場合に
、巡視作業員の安全性向上も期待できるという。

久連子川流域を含む川辺川の砂防施設を管轄する九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所では、ドローンの活用により砂防施設の点検の効率化や災害時危険箇所の巡視作業の効率化、巡視作業員の安全向上を図るため「川辺川流域無人航空機渓流点検方法検討業務」で、2022年度から「レベル3」の飛行試験・検証を実施。

その一環として、連続的に砂防施設が配置され、2022年の台風14号で道路も数カ所で被災し砂防施設までのアクセスが困難な久連子川流域を試験フィールドとして、同社が飛行試験・検証の運航を手掛けた。

【飛行試験の概要】
2月8日、国土交通省 九州地方整備局 川辺川ダム砂防事務所管轄の砂防施設のある久連子流域を、エアロボウイングを以下の図の通り飛行させ、砂防堰堤の点検を実施。

飛行概要 離着陸地点の久連子古代の里を離陸後北西に飛行し、道路の崩落状態を確認。その後、着陸せず久連子川上流に連続的に配置された砂防堰堤上空を飛行し撮影
(事前に設定したフライトプランに従って自動飛行)
飛行距離・時間      約13km・13分
確認事項 砂防堰堤や山腹崩壊等の状況を確認。あわせて道路の被災状況も確認


今回の飛行試験における飛行ルートと点検・撮影エリア(オルソ画像部分):飛行距離 約13km


エアロボウイングが飛行中に撮影した砂防堰堤の画像(左)と拡大画像(右)

(藤原秀行)※いずれもエアロセンス提供

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