企業間で連携、除去技術の調査など展開へ
商船三井は4月13日、世界の海事産業からのメタン排出量削減を目的とした英国の非営利団体Safetytech Accelerator（セーフタイテック・アクセラレーター）が主導する国際的な環境活動「Methane Abatement in Maritime Innovation Initiative」（メタン・アベイトメント・イン・マリタイム・イノベーション・イニシアチブ」（MAMII）に、3月16日付で主要パートナーとして参加したと発表した。
MAMIIは2022年9月に結成。現在は14社が参加している。海事産業のメタン排出ゼロを目指して参加企業間で協業、メタン排出に関する制度・規制の調査、メタン除去技術調査、メタンが主成分のLNG（液化天然ガス）のサプライチェーン運営に関連した経験・知識の共有、技術的ソリューションの提言などを手掛ける。
LNG燃料は、従来の重油燃料よりCO2を25%程度排出抑制する効果があり、船舶運航における低炭素化にすぐ貢献できる手段としてLNG燃料船の普及が進んでいる。その一方、LNG燃料利用の過程でメタンの一部が大気中に排出されてしまうメタンスリップが課題となっている。
商船三井はMAMIIへ加わることで、メタン排出に関する規制や技術開発の世界動向を把握し、メタンスリップの最小限化、LNG燃料船の低・脱炭素化に貢献することを目指す。
同社はメタン排出削減の一環として、MAMIIへの参加のほか、触媒とエンジンの改良でLNG燃料船のメタンスリップ大幅削減を目指した技術開発事業をパートナー企業と進めており、世界初となる「メタン酸化触媒システム」に関する基本設計承認（Approval in Principle）を取得した。
今後、2023年中ごろから陸上での試験を開始し、24年後半から26年末にかけて実船での実証試験を行う予定。
（藤原秀行）
