伊藤忠とKDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所の5社が荷物とトラックのマッチングサービスなど開発で合意と正式発表

「2024年問題」受けフィジカルインターネット実現目指す、合弁会社設立へ

伊藤忠商事とKDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所の5社は5月17日、インターネットの在り方を参考にして共同輸送などを進め物流の効率化を実現する「フィジカルインターネット」の実現を支援する事業を共同で始めると発表した。

「2024年問題」への対応として、共同配送や長距離幹線ルートの中継輸送、荷物とトラックのマッチング、倉庫スペースのシェアリングなどのサービスを開発、展開することを念頭に置いている。2024年度中に5社で合弁会社を立ち上げ、新サービスの企画や開発を進め、実際に提供を始めることを目指す。

事業の一環として、荷主企業が輸配送を希望する荷物と運送事業者が運行しているトラックの空きスペースをマッチングするシステムの構築も検討する。

事業化に際しては、伊藤忠が事業企画・推進、新規営業を担当。三井不動産と三菱地所は中継輸送用の物流施設開発などを手掛けるとみられる。KDDIはマッチングサービスを提供するためのシステム開発など、豊田自動織機はシェアリングする倉庫向けのマテハン設備提供などをそれぞれ担う見込み。

5社は「荷主会社や運送会社とも連携を行い、物流輸送網の構築を図る。将来はフィジカルインターネットの活用による物流業務の効率化に加え、同サービスによって生み出されたコストメリットを荷主・運送会社などの利用者が享受できる仕組みを構築することで、物流の新たなスタンダードとなるサービス形態を目指す」と説明している。

フィジカルインターネットのイメージ

出典：経済産業省 フィジカルインターネット実現会議 フィジカルインターネット・ロードマップ 2022年3月より抜粋（プレスリリースより引用）

各社の役割

（藤原秀行）