荷待ち時間の大幅な短縮見込む
オークラ輸送機は5月30日、自動倉庫から出る荷積みパレットをウイングボディトラックへ自動的に積み込むローディング装置「トラックローダ」をバージョンアップし、新たにアンローディング（荷降ろし）機能を付加した新タイプ「トラックローダTL-2P」を開発したと発表した。6月に受注を開始する。
1台でローディングとアンローディングの両方を担えるため、出荷作業と入荷作業の両作業に対応可能。
「2024年問題」への対策として、積み降ろし作業の遅れなどから発生するトラックの荷待ち時間削減が強く求められており、同社はトラックローダTL-2Pを活用することで省人化と積み降ろし時間の大幅な短縮を実現できると見込む。
新装置はレール上を走行するフォーク搭載のトラバーサ（水平移動装置）が、荷積みパレットを2枚ずつ持ち上げ、トラックの側面から積み込みや荷降ろしをする。
これまで荷台位置や積み込み位置を独自のセンシング技術で読み取り、ローディングを行っていた。新たにビジョンカメラによる認識方式を採用し、アンローディングにも対応できるようにした。
ビジョンカメラはトラバーサの上部に搭載し、荷台高さとパレットのフォーク差し込み口を認識。フォークを確実に差し込み、パレットを持ち上げ、荷台から排出。トラバーサはパレットを載せた状態でレール上を走行し、コンベヤへ降ろす。その後はコンベヤが稼働し、自動倉庫へ格納する。
ローディングの場合は逆の動きで、自動倉庫から出庫されたコンベヤ上の荷積みパレットを2パレットずつ持ち上げ、トラックの荷台に積み込む。
積載荷重は最大1700㎏で、ローディングは毎時73パレット、アンローディングは毎時56パレットの処理能力を備えている。10tトラックにT11型パレット（1100×1100㎜サイズ）をフル積載の16パレットローディングする場合は約13分、アンローディングは約17分で完了すると想定しており、荷待ち時間が大幅に短縮するとみている。
フォークリフトでの積み込みは時間を要する上、操作ミスや倉庫内をピストン走行するため危険性が伴う。最近はオペレーター不足も深刻化しており、トラックの積み降ろし荷役の自動化ニーズが一段と高まっているのを考慮、新装置の開発に踏み切った。
概算価格はシステム一式で約9000万円。
■システム構成
（オークラ輸送機提供）
（藤原秀行）
