三菱地所がオーストラリアで物流施設開発に参入、ESRグループと共同展開

三菱地所がオーストラリアで物流施設開発に参入、ESRグループと共同展開

メルボルンに4棟・7万㎡構成の大型案件建設、26年全体完成へ

三菱地所は8月1日、ESRグループのオーストラリア現地法人と、同国のメルボルンで物流施設開発事業「Enterprise Industry Park」(エンタープライズ・インダストリー・パーク)に参画したと発表した。

メルボルン南東のPakenham(パケンハム)地区で4棟構成の大型物流施設(敷地面積約12.1ha、有効面積約7ha)を建設する。施設は2025年以降、順次竣工し、26年に全体の完成を見込む。

オーストラリアでの物流施設開発事業は、三菱地所や日系総合デベロッパーとしては初めてという。三菱地所がESRグループと共同事業に踏み切るのもこれが最初。

同国はEC市場の伸長や移民受け入れなどによる人口増加が顕著で、2020年以降、物流・配送の需要が大幅に増加している。その一方、物流施設の供給は全国的に追い付いていないため、不足した状態が続いている。

オーストラリア国内で最大人口を有する都市圏のメルボルン南東部に、最先端の機能を有する大型物流施設を開発・供給し、物流施設需要に対応していきたい考え。

三菱地所は16年に大型タワーマンション開発事業「Melbourne Quarter East Tower」へ加わったのを手始めに、オーストラリアに進出、21年に支店を設立した。以降、オフィス・分譲住宅・賃貸住宅・借地権付建売住宅・タウンシップ開発・ホテルなど、幅広く各不動産セクターでの開発事業を推進し、新規開発事業の累計投資額は約15億オーストラリアドル(約1425億円)に上る。

今後も、日本、オーストラリアや海外各国での知見・経験を活かし、オーストラリア事業を深化・拡大させ、優良かつ多様性のある事業ポートフォリオを構築していくことを目指す。

物流施設開発を進めるPakenham地区は2020年にビクトリア州が戦略的に主要物流施設・製造施設・運送インフラ開発を実施するState Significant Industrial Precinct(州指定の産業優先開発地区)として指定。今後の発展が見込まれている。

また、物流施設集積エリアのDandenong(ダンデノン) Sounth(サウス)地区および主要幹線道路のPrinces Freeway(プリンセス・フリーウェイ)にも近接し、メルボルン中心部まで車で約30分。

施設は4棟構成で、各棟約1万2600~2万5900㎡、合計約7万㎡のプライムグレードの物流施設を供給する予定。「Green Star Building 4 Star」の取得を目指すなど環境配慮型の開発を企図している。

施設内の約1万2600㎡を占める1棟目は既にテナントが内定しており、25年初頭の竣工・稼働を想定している。残り3棟は24年内の着工を予定しており、25~26年にかけて段階的に竣工・稼働させていく計画。

(藤原秀行)※いずれも三菱地所提供

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