物資輸送サービス商用化目指す
月面へ物資を輸送する「ペイロードサービス」の商用化を目指しているispaceは10月15日、韓国の宇宙ロボティックスおよび宇宙探査企業Unmanned Exploration Laboratory (アンマンド・エクスプロレーション・ラボラトリー、UEL)との間で、将来の月面におけるローバーを用いた探査ミッションの実現に向けた覚書に調印したと発表した。
UELの宇宙ロボティックスを技術的に実証するため、将来の月面ミッションで、探査車を月面に輸送することを想定している。
今後ミッション計画で合意に至った場合は、UELの開発する探査車がispaceの将来ミッションで打ち上げるランダー(月着陸船)に搭載する予定。
イタリア・ミラノで開催中の第75回国際宇宙会議(IAC)のispaceブースに展示するAPEX 1.0レプリカの前で撮影に応じるispace・袴田武史CEO(最高経営責任者)&Founder(左)とUEL・VP Jaeho Lee氏
IACの韓国パビリオン内にあるUELブースに展示中のローバー(いずれもispace提供)
地球と月の間の空間に独自の経済圏を構築することを目指すispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めている。
最速で今年12月に日本法人が主導するミッション2、続いて26年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画。27年には現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定している。
ispaceは世界中の政府、企業、教育機関、特にインド太平洋地域で急速に高まる需要に応えるため、ミッション3および以降のペイロードサービス契約とデータサービスの提供について、交渉を進めていく方針。
(藤原秀行)