ZMPも、半屋外空間で利用環境整備目指す
システム開発のFIGグループでドローン開発などを手掛けるciRobotics(大分市)は10月29日、長崎市内で10月14日に開業した、ジャパネットグループが運営するサッカースタジアム・アリーナ・ホテル・商業施設・オフィスから成る大型複合施設「長崎スタジアムシティ」で、12月16~17日に実施予定のロボット実装・実証実験に参画すると発表した。
実験は、施設におけるロボット導入をテーマとして経済産業省が公募する「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」に採択された事業の一環。ciRoboticsはロボットの提供事業者の1社として、自社オリジナル搬送ロボット「WILL(ウィル)-SR」を提供する。
同プロジェクトは他にZMPやアマノもロボットを提供する予定。
長崎スタジアムシティは施設全体でロボット活用を計画しており、これまで人で行われてきた作業をロボットで代替することで、人件費の削減や人手不足の解消を目指している。
施設の全景(長崎スタジアムシティ提供)
ciRoboticsのロボット「WILL-SR」
施設には、国内初のスタジアム上空を通過するジップラインを設置している。ジップラインのゴール地点からスタート地点へ、ハーネスやヘルメット、小物類など備品を運搬する必要があるが、非常に重いため、運搬方法や運搬者の確保が課題となっていた。
ハーネスなどの運搬にZMP製の宅配ロボット「DeliRo Truck」を導入。コンコース内にはアマノ製清掃ロボット「HAPiiBOT」を採用する。ciRoboticsの搬送ロボットも含めた3台の国産ロボットを生かして、実際のスタジアムコンコースの環境下でロボットの性能を評価、その指標と妥当性を検証する。
これまで、戸田建設も参画しているロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)が屋内における物理環境指標に関する、規格の発行や議論を進めている。今後、ロボットの活用をさらに拡大するためには、屋外における環境の構築も進めていく必要があり、今回の実証実験場所のスタジアム特有の、半屋外・屋外空間における、ロボットフレンドリーな環境構築に向けた課題の整理・検討を図る。
プロジェクト参画企業
リージョナルクリエーション長崎
プロジェクト統括
戸田建設
プロジェクト副統括
ロボットフレンドリーの構築に関するコンサルティング
ZMP
DeliRo Truck(宅配ロボット)の提供
ROBO-HI(ロボット管理クラウドシステム)の提供
アマノ
HAPiiBOT(清掃ロボット)の提供
ciRobotics
WILL(宅配ロボット)の提供
パナソニック ホールディングス
ロボット性能評価実証実験の実施
(藤原秀行)※いずれもciRobotics提供