友好的な協業は困難と表明、提携解消協議の再度申し入れを発表
※アスクルがヤフーに提携解消の協議を再度申し入れたと発表したのに伴い、本日午後2時すぎに配信した記事の当該箇所を差し替えました
アスクルは7月22日、ヤフーとの業務・資本提携解消に関して岩田彰一郎社長兼CEO(最高経営責任者)らが記者会見した内容を受け、ヤフーが発表したプレスリリースに対する反論を開示した。
この中で、ヤフーがアスクルの展開している個人向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」事業の譲渡をする考えがあるかどうか意向を聞いただけと主張していることについて「明らかに虚偽」と強く批判するなど、ヤフー側の主張に真っ向から異を唱えている。
その上で、取締役選任をめぐって資本・業務提携で定めたルールを守っておらずヤフーが契約違反していると主張。「ヤフーのリリースは当社が記者会見において真実を述べたことに狼狽し、とりあえず反論する体裁を取っただけ。こうした状況に至って友好的な協業により双方の企業価値向上を企図するのは困難」として、あらためて早期の提携解消をヤフーに求める姿勢を強調した。
その後、アスクルは同日、ヤフーに提携解消の協議を再度申し入れたと発表した。
「主体的にロハコ事業移管を画策していることは明白」と反発
アスクルの反論では、ヤフーからアスクルに派遣されている輿水宏哲取締役を通じ、2018年11月にロハコ事業をヤフーが展開しているネット通販モールの直営店にすることや、新会社を設立してヤフーが過半を出資、同事業を移管するとの意向の説明があったことなどを指摘。
「そもそもロハコを譲渡する考えがあるのかの『意向を伺ったにすぎない』などというのは虚偽にほかならず、むしろヤフー社が主体的にロハコ事業の移管を画策していることは明白」と断じた。
他にも、ヤフーが8月2日にアスクルが開く定時株主総会で、経営の若返りを図るため岩田社長兼CEOの再任に反対するとともに同氏以外の取締役候補への議決権行使も慎重に検討するとの方針を発表した翌日、取締役兼COO(最高執行責任者)の吉田仁氏または吉岡晃氏のいずれかが代表取締役社長に就任されるとの見通しを示したのは「岩田社長を当社経営から外すことだけが本件一連の目的であることを表面上隠すためになされた虚偽の説明であることを示している」と強い不快感を表明した。
(藤原秀行)