コールドチェーンにも対応可能
大和ハウス工業は9月22日、マレーシアの現地法人Daiwa House Malaysia Logistic(ダイワハウスマレーシア ロジスティクス)が同国セランゴール州で2023年3月から開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL Malaysia Shah Alam Ⅲ」が竣工したと発表した。
同国では3棟目で、地上3階建て、延床面積は15万6122㎡、賃貸面積は11万5420㎡。同社としては海外で最大の延床面積を備えた大規模なマルチテナント型物流施設となった。
大和ハウスはベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、米国の5カ国で物流施設計28棟、総延床面積約80万7000㎡の開発を手掛けてきた(今年8月末時点)。
「DPLマレーシア シャーアラムⅢ」は、近年マレーシア国内で一般消費財やeコマースの需要が高まるなど、ニーズが多様化する物流に対応することを目的としている。
既に同社グループが開発した物流施設2棟「DPLマレーシア シャーアラムⅠ」「DPLマレーシア シャーアラムⅡ」の隣接地に位置。クアラルンプールの中心部から約27km、東南アジア・中東・欧州を結ぶ主要航路の要衝の港、クラン港から約24km、クアラルンプール国際空港から約40km。
全館LED照明を採用したり、太陽光発電システムの設置が可能な仕様を取り入れたりするなど環境負荷低減にも配慮している。
施設内には、屋内型の高床式トラックバース(115台分)を備えるとともに、ドックレベラーを取り入れ、荷降ろしをスムーズに実施できるようにしている。天候に左右されない設計を採用し、効率的な荷物搬入出を後押しする。
最大12テナントの入居が可能で、各区画に設置した事務所は、テナントが入居後すぐに使えるよう内装仕上げを施している。マレーシア国内で需要が高まっているコールドチェーン(低温物流)にも対応可能。
火災発生時に被害を最小限に抑えるため、十分な放水量があり、短時間で制圧消化が可能なスプリンクラーシステム「ESFR」を採用した。
従業員用の屋内駐車場(自動車484台、二輪車515台)や、駐車場内に直通エレベーターを設置し、利便性と安全性を追求。各区画に男性用・女性用1室ずつ祈祷室を設置するなど、従業員が働きやすい環境を整備している。
■建物概要
名称:「DPL Malaysia Shah Alam Ⅲ」(ディーピーエル マレーシア シャーアラム スリー)
所在地:マレーシア・セランゴール州シャーアラム(Lot22203, Jalan 33/52, Section 33, 40450 Shah Alam, Selangor, Malaysia)
交通:シャーアラム高速道路「コタ・ケムニンインターチェンジ」から約3.5km、クアラルンプール中心部から南西へ約27km、「クラン港」から東へ約24km、「クアラルンプール国際空港」から北へ約40km
建物用途:マルチテナント型物流施設
事業主・運営会社:Daiwa House Malaysia Logistic Sdn. Bhd.(ダイワハウスマレーシア ロジスティック スンディリアンベルハド)大和ハウス工業100%出資会社
設計:Arkitek IPPM Sdn. Bhd.(アーキテック アイピーピーエム スンディリアンベルハド)
施工:SLG Construction Sdn. Bhd.(エスエルジー コンストラクション スンディリアンベルハド)
構造・階数:
鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)・地上3階建て
有効高さ:1階・2階12m(一部6m)、3階11m~14m、床荷重:3.0t/㎡(一部1.5t/㎡)
幅:276m、奥行き:1階123m、2・3階108m
総事業費:約170億円
敷地面積:60,742㎡(約18,374坪)
延床面積:156,122㎡(約47,226坪)
賃貸面積:115,420㎡(約34,915坪)
入居可能テナント数:12テナント(1区画6,432㎡~11,849㎡)
着工:2023年3月1日
竣工:2025年9月18日
入居開始:2025年10月1日
(藤原秀行)※いずれも大和ハウス工業提供