JLL調査、旺盛な需要が吸収
ジョーンズ ラング ラサール(JLL)は8月13日、2019年第2四半期(4~6月)の東京圏における物流施設市場動向の調査結果を公表した。
賃貸施設の期末平均空室率は3・3%で、前期(19年第1四半期、1~3月)から0・8ポイント、前年同期比でも1・1ポイント低下した。3%台となるのは17年第2四半期以来、2年ぶり。
今年4~6月期は三井不動産の「MFIP羽田」(東京、延べ床面積8万1000平方メートル)、ラサール不動産投資顧問と三菱地所、NIPPOが共同開発した「ロジポート川崎ベイ」(神奈川、29万7000平方メートル)、オリックスの「松伏ロジスティクスセンター」(埼玉、7 万7000平方メートル)と大型物件が相次ぎ完成。新規供給量は3棟で45万9000平方メートルに達し、ストックは前期比4%、前年同期比では20%増えたが、マーケット全体としては旺盛な需要が順調にスペースを吸収した形となった。
期末の坪当たり平均月額賃料(共益費含む)は4274円で、前期から0・5%アップした。前年同期比でも1・4%のプラス。
今後の見通しについては「19、20年と大規模な新規供給が予定されているものの、今後も需要は堅調と想定されることから、空室率上昇は限定的となる見通し。従って、賃料は既存と新規供給ともにおおむね安定的に推移する」との前向きな見方を示した。
調査は東京、神奈川、千葉、埼玉の各都道府県と茨城県の南西部が対象。2000年以降に完成した延べ床面積5万平方メートル以上の先進的物流施設の利用状況をリサーチした。
エリア別の動きを見ると、空室率は東京湾岸の「ベイエリア」(東京・大田区、江東区、横浜市、千葉県市川市など)が前期から横ばいの0・0%、「内陸エリア」(東京都八王子市、神奈川県厚木市、千葉県柏市、埼玉県川島町なと)は1・1ポイント下がって5・2%だった。
賃料は「ベイエリア」が前期比0・6%アップの4788円、「内陸エリア」が0・1%ダウンの3982円。ベイエリアが全体を押し上げた格好だ。
(藤原秀行)