soucoが作成、第1弾は「オンデマンドウエアハウジング」に焦点
倉庫の空きスペースと保管を希望する荷物のマッチングサービスを展開しているsouco(東京)は10月31日、日本を含む世界で物流関連分野の変革に挑戦している主要スタートアップ企業に焦点を当て、カテゴリー別に各企業の活動内容やマーケットの展望を取りまとめた特別リポート「ホワイトペーパー」の提供を開始した。日本では初めての試みとみられる。
同社ウェブサイトから無料でダウンロードできる。第1弾のリポートはsoucoのマッチングサービスと同様、必要な時に商品保管スペースを提供する従量課金制の倉庫サービス「オンデマンドウエアハウジング」をテーマに設定。海外では既に大手小売業や外食チェーンが繁忙期の在庫対応として活用していることなどを紹介している。
soucoはリポート公表の狙いについて「急成長の分野を概観し、どのように活用していくかを知るお手伝いをさせていただきたい。ロジスティクス戦略をご検討の皆さまやオペレーションの効率化をご検討の皆さまの参考として広くご利用いただけることを願っている」と強調。
国内外の“物流スタートアップ”の情報を積極的に発信していくことで、より物流スタートアップ業界を盛り上げていきたい考えだ。
米ウォルマートやケンタッキー・フライド・チキンも利用
soucoは先日、国内外の物流関連分野におけるスタートアップ企業500社を網羅した特製資料「カオスマップ」をやはり無料で公開、物流関係者らから好評を博している。ドローン(無人飛行機)やAGV(無人搬送機)、ブロックチェーンや自動運転などの先端技術、日々の物流を支えるトラック輸送に至るまで25の多様なカテゴリーごとに企業を分類。各カテゴリーにどのような企業が存在しているのかといったおおよその状況がつかめるよう俯瞰している。
リポートは、カオスマップで言及した企業をメーンに据え、各カテゴリーでスタートアップ企業が誕生した背景と主要企業の概要、各企業の活動内容、将来見込まれる市場規模、資金調達の現況、サービスの活用例などを盛り込む計画だ。
オンデマンドウエアハウジングのリポートは約20ページに及び、過去6年間に欧米やアジアの10カ国で15以上のスタートアップ企業とサービスのプラットフォームが誕生した経緯などを報告。さらに、ベンチャーキャピタルがこの分野へ積極的に投資し、スタートアップ企業の資金調達額も13年以降で累計126億円以上になるとみられることを説明している。
また、実際の活用例として、米ウォルマートがスタートアップ企業のFLEXE(フレクゼ)と提携、繁忙期の在庫需要に対処したり、ケンタッキー・フライド・チキンが英国でStowga(ストウガ)を利用して一時的な保管スペースを探したりしていることを列挙している。
soucoはリポートを1回だけの単発で終わらせず、他のカテゴリーについても順次発表していく構想だ。
(藤原秀行)