共同声明採択、過度な制限は回避で一致
日本や欧米、中国など主要20カ国・地域(G20)は3月30日夜、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しているのを受け、緊急の貿易・投資担当相会合をテレビ会議形式で開いた。
日本からは梶山弘志経済産業相らが参加。感染拡大を受けた移動制限で自動車や医薬品、生活物資などのサプライチェーンが深刻な影響を受けている現状を踏まえ、物やサービスの自由な流通を確保し、経済活動を維持していくために貿易面で連携を強化する方針を盛り込んだ共同声明を採択した。
声明では、物流ネットワークが円滑かつ継続的に稼働するよう約束。空路や海上、陸上輸送による物流網がオープンなものであり続けるよう各国が方策を検討することを盛り込んだ。また、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するための緊急的な措置は透明性を持ち、WTO(世界貿易機関)の方向性と整合的であるべきとの考えを示し、過度に貿易を制限しないことで一致した。
さらに、国際機関に対し、新型コロナウイルス感染症が貿易投資やグローバルサプライチェーンに及ぼす影響について詳細な分析を提供するよう要請。G20の貿易・投資作業部会には、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響の緩和やグローバルサプライチェーンの維持と迅速な経済回復のための長期的な措置を特定するよう指示することをうたった。
会合に参加した梶山経産相(経産省提供)
(藤原秀行)