災害時の供給継続協力で一致、「スマートファクトリー」化も検討
家庭用食用油最大手の日清オイリオグループと2位のJ-オイルミルズは3月31日、原油と油粕を製造する「搾油事業」で業務提携契約を締結したと発表した。昨年10月に提携協議入りすることを公表していた。
提携の具体策として、原料から油を搾り出す工程で双方の設備を有効活用することや、原料の大豆やなたねを海外から輸入する際に船舶で共同輸送を実施して調達・物流の効率化を図ることなどを打ち出している。国内は少子高齢化などで需要が伸びない中、事業の国際競争力を高めるのが狙いだ。
また、近年台風や豪雨などの深刻な自然災害が頻発していることを踏まえ、災害の影響で工場が操業停止に追い込まれた場合に油脂や油粕を安定供給できるよう協力することでも一致している。資本提携は検討していないと明言している。
今後は岡山県倉敷市で両社がそれぞれ保有している搾油工場の新しいラインを相互に活用し、安定的に搾油できる体制を構築したり、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を駆使して工場の業務効率化・生産性向上を図る「スマートファクトリー化」を進めたりすることも検討していく予定。
(藤原秀行)