愛媛銀と山口FG、瀬戸内海エリアの海運事業者や造船会社支援狙い
愛媛銀行と山口フィナンシャルグループ(FG)は5月13日、地方銀行が共同で取り組む形としては初となる、大型船舶を購入する船主へ円滑に資金を融資することが可能なスキームを構築したと発表した。瀬戸内海エリアの海運事業者や造船会社を支援するのが狙い。
愛媛銀と山口FG傘下の銀行が連携し、案件ごとに設立する合同会社宛てにローンを実行。その資金を基に合同会社が船主向けの融資債権を買い取る。6月にも第1号案件として30数億円規模の融資を実行する計画。
船主にとっては実質的に複数の銀行からファイナンスが可能となり、大型船舶購入にも対応できるのがメリット。スキームは債権の運用期間として船舶の耐用年数に予備期間1年を加えた16年とし、1船舶当たり10億~100億円規模を想定している。運用業務は船主の取引行が受託する形式を取るため、船主は日ごろ付き合いのある融資担当と取引できる点も強みだ。
(藤原秀行)