主要株主役員兼務の社外取締役再任など、乾汽船の株主提案には誤って賛成
民間で国内最大級の機関投資家、日本生命保険は9月9日、2020年4~6月に開催された同社投資先の上場企業株主総会で、個別議案ごとに議決権を行使した結果を公表した。
対象となった1231社で会社側が提案した4103議案のうち、61議案に反対。このうち、主要な物流企業では19年と同様に、日本ロジテムと岡山県貨物運送、宇徳が定時株主総会で提出した計4議案に反対票を投じた。
日本生命の発表資料によれば、日本ロジテムは社外取締役の選任案(再任)に反対した。19年の総会時と同じ人物で、主要株主の日清製粉グループ本社の役員を兼務している点が日本生命の基準に抵触したようだ。
岡山県貨物運送も19年の総会時と同じく、剰余金処分と退職慰労金支給に反対。株主還元が不十分などと判断したもようだ。
宇徳は新たに任期満了を迎えた社外監査役を再任する案に反対。同社の会計監査を担う監査法人出身であることに、経営の独立性確保の観点から反対したとみられる。3社の該当する議案はいずれも賛成多数で可決、成立した。
また、乾汽船の筆頭株主アルファレオホールディングスが5月に招集した乾汽船の臨時株主総会では、アルファレオが提案した買収防衛策の廃止に、誤って賛成票を投じていた。この提案は株主の賛成少数で否決された。
(藤原秀行)