国交省審議会がコロナ踏まえた議論の中間取りまとめ公表
国土交通省は9月9日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長・朝倉康夫東京工業大環境・社会理工学院教授)を東京・霞が関の同省内で開催した。
事務局を務める国交省が、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた道路関連施策の方向性に関する議論の中間取りまとめ案を公表した。「ポストコロナ」時代に高速道路などの幹線道路が目指すべき姿として、
①平常時・非常時を問わず機能を失わない「安全・安心な道路」(Safe)
②道路ユーザーなどの生産性・快適性が飛躍的に向上する「スマートな道路」(Smart)
③社会環境の変化やインフラの老朽化に対応できる「持続可能な道路」(Sustainable)
――を明示。
具体的として、高速道路のETC専用化による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化推進、高速道路での中継物流拠点の拡充、暫定2車線の4車線化などを列挙した。また、SA・PAの混在が常態化している状況を打開するため、大型車や特大車用の駐車マス増設、駐車場予約システムの導入推進、長時間駐車に対する費用負担設定の検討などを盛り込んだ。
さらに、物流・運送事業者への大口・多頻度割引を継続するとともに、過積載防止へ車載型荷重計測システム搭載など積極的な取り組みをする物流事業者に対して大口・多頻度割引を拡大することも議論していくことを打ち出した。
ETC専用化に関しては「例えばETC利用率の高い都市部は5年後のETC専用化を目指すなど、ETC 利用状況などの各高速道路会社を取り巻く状況を考慮しつつ、導入手順や概成目標時期を明示したロードマップを策定し、料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を計画的に推進」と明記。利用促進へETCパーソナルカードの保証金の大幅な引き下げ、車載器購入への助成などを図ることも提示した。
(藤原秀行)