郵便物のデジタルデータ化代行のN-Technologies、年内にサービス導入500社目指す

郵便物のデジタルデータ化代行のN-Technologies、年内にサービス導入500社目指す

独立系ベンチャーキャピタルのCoralCapitalから2500万円調達、セキュリティーや機能拡充

届いた郵便物のデジタルデータ化を代行するサービス「atena(アテナ)」を展開しているスタートアップ企業のN-Technologies(東京都中央区八重洲)は9月14日、独立系のベンチャーキャピタルCoralCapital(東京都千代田区大手町)を引き受け先としたJ-KISS型新株予約権方式で2500万円の資金調達を果たしたと発表した。

同方式は投資契約書のひな形を使うことで迅速に資金調達できる仕組み。N-Technologiesが資金調達を実施したのは2019年1月の創業以来、初めて。調達した資金はサービスのセキュリティーや機能の拡充に用いる計画で、20年中に導入企業500社を目指す。

CoralCapitalはN-Technologiesが初めて、対面を一切行わずオンラインのみの審査で投資を決定したケースになったことを明らかにした。CoralCapitalは「開発力が非常に優れており、プロダクトのセンスが卓抜している」と指摘した。

atenaは郵便物を顧客に代わってまとめて受け取り、中身をスキャンしてデータ化、クラウドベースで管理する。利用者は請求書など必要な郵便物だけ中身を確認できるようになり、郵便物の受け取りや開封、整理などの業務を全てアウトソースして本来の業務に集中することが可能になるのが大きなメリットだ。郵便物受け取りのための出社も不要となるため、在宅勤務促進につなげられると見込む。

N-Technologiesは併せて、9月14日にatenaの機能を拡充したことも発表した。当初は個人をメーンのターゲットとしていたが、法人からの問い合わせが増えているため、業務効率化により貢献できるようにする。個々の社員にアカウントを発行、いつ誰がそれぞれの郵便物を操作したか履歴を確認できるようにして不適切な郵便物閲覧を防ぐほか、内容をどこまで読むことができるかユーザーごとに権限を細かく設定することも可能にしている。

料金設定も統一し、月額税別1万円で100通まで郵便物を受け取れるように設定している。


atenaのキャラクター


デジタルデータ化した郵便物のイメージ(いずれもN-Technologies提供)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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