財務健全性と事業資金確保を両立
大和ハウスは10月23日、同社として初めてハイブリッドローン(劣後特約付きローン)を利用し、1000億円を調達すると発表した。弁済期日は35年後の2055年10月29日。
調達資金は物流施設開発などの設備投資やこれまでに発行したコマーシャルペーパー(CP)と社債の償還、借入金返済などに充てる。ハイブリッドローンで調達した資金は格付け機関から一部を資本とみなされるため、財務体質の強化につなげられるのがメリット。
同社は財務健全性の目安として、有利子負債が自己資本の何倍に相当するかを表す「DEレシオ」を0・5倍とすることなどを設定している。一方、今年6月に2019~21年度を対象とする現行の第6次中期計画期間中の不動産開発投資のうち、物流施設を軸とする「事業施設」への投資額を従来の約1・9倍に当たる6500億円へ引き上げており、財務健全性の維持と事業資金の確保を両立する必要に迫られている。
今回のハイブリッドローンについては、格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)からそれぞれ、資金調達額の50%を資本性の資金として認定される見通し。
(藤原秀行)