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【独自取材、動画】建物の大規模改修不要で異なるフロアを行き来可能な自律輸送ロボット開発、“縦のラストワンマイル”問題解消

【独自取材、動画】建物の大規模改修不要で異なるフロアを行き来可能な自律輸送ロボット開発、“縦のラストワンマイル”問題解消

スタートアップ企業のRoboSapiens、オフィスビルやマンションなどで活用想定

ロボット開発を手掛けるスタートアップ企業のRoboSapiens(ロボサピエンス、東京都新宿区西新宿)は、11月10~11日に横浜市で開かれた展示会「横浜ロボットワールド2021」に、新たな自律輸送ロボット「Karugaroo(カルガルー)」と、ロボットの移動をより容易にするための駆動装置「BambooShoot Actuator(バンブーシュートアクチュエータ)」を出展した。

Karugarooはオフィスビルやマンションなど建物内を自律移動することを想定。事前の設定に沿って、指定した部屋や場所まで物を配達し、自動的に元の場所まで戻ってくることが可能なため、ロビーに届けられた料理や宅配荷物をKarugarooに載せ、そのまま居住者や働いている人のところへ搬送することを想定している。

Karugaroo にはBambooShoot Actuatorを取り付け、エレベーターを操作して異なるフロアを自律的に動けるようにする。同社は建物の設備に大規模な手を加えずに導入が可能と強調。マンションなどでの実証実験を重ね、2022年度以降の実用化を目指す。


出展したKarugaroo


カンガルーのぬいぐるみがポイント(RoboSapiens提供)


ロボットの利用イメージ(RoboSapiens提供)

“しっぽ”が伸びてボタンを押す

Karugarooはレーダーやカメラを搭載、周辺に人や物を検知すると自動的に回避する。搬送できる重量は現時点で最大20キログラム。カメラを介して人と離れた場所にいる管理者がコミュニケーションを取ることもできる。人と接するため前面にぬいぐるみを取り付けるなど、警戒感を解くよう配慮する。

大きな特徴が、BambooShoot Actuatorを使い、エレベーターの目的階のボタンやインターフォン、デジタルサイネージ(電子看板)に表示されたボタンなどを押せる点だ。BambooShoot Actuatorは巻き尺を使いアルミテープを伸縮させる仕組みで、従来のアクチュエータより収納スペースを必要としないのがメリット。たけのこ(バンブーシュート)のようにアルミテープが伸びてくるところから命名した。既に特許を取得している。


BambooShoot Actuator(RoboSapiens提供)


しっぽのように装着したBambooShoot Actuator

Karugarooの後部に装着し、しっぽのようにアルミテープを伸ばして先端に取り付けたボールがボタンなどを押す。屋内で自動搬送するロボットが異なるフロアの間を行き来するためには、エレベーターや自動ドアと連動させる必要があり、システム改修などが求められる。RoboSapiensは、BambooShoot Actuatorを使えば、建物側は大規模な設備の改修などが不要のため、自動搬送ロボット導入のハードルが低くなるとみている。

Karugarooは天井に向けたカメラから得られる映像を活用し、照明や非常灯、エアコンなどの天井設備を認識、事前に準備した地図と照合して現在地をより高精度に把握できるようにする技術も搭載している。料理や宅配物を届けるほか、オフィスビルの来客者対応やお茶出し、集合住宅のごみ回収、介護施設の入居者見守り、医療機関内の薬の運搬などにも使えるとみている。

RoboSapiensの長尾俊社長は「建物内の異なるフロアを円滑に行き来できるようになる“縦のラストワンマイル”の問題を解決できる」と意義を強調。BambooShoot Actuatorは他の自律輸送ロボットにも取り付けられるようにするなど、幅広い普及を図っていきたい考えだ。


ボタンを押すイメージ(RoboSapiens動画画面をキャプチャー)


長尾社長

(RoboSapiens提供)

(藤原秀行)

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