パーソルP&T、岩手県山間部でドローンによる物流や林業支援の実証実験

パーソルP&T、岩手県山間部でドローンによる物流や林業支援の実証実験

2年連続受託、25年度の本格運用目指す

人材サービス大手パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は12月17日、岩手県が取り組んでいる「中山間地域におけるドローンを活用した地域課題解決に係る実証実験等業務」を2年連続で受託したと発表した。

今回の取り組みでは、岩手県が描く「ドローンによる活力ある中山間地域まちづくりの実現」に向け、物流システムの構築と森林資源の把握方法の検討、ドローンの担い手育成などの普及啓発活動を行う。

岩手県では2025年度にドローンの本格運用を目指しており、20~21年度とパーソルP&Tが続けて支援している。

岩手県は人口減少が進み、特に中山間地域や過疎地域では少子高齢化が急速に進行。実施地域として選定された岩手県岩泉町も、食料品の購入が困難な人口の割合が県内で最も高く、全国的に見ても非常に厳しい状況。また、林業が盛んな地域ではあるが、少子化に伴う担い手不足や林業従事者の高齢化によって生産性が低下し、事業の継続性が課題となっている。

2020年度は岩泉町小本地区内にある樹木のうち、商用価値の高いナラの木を判別するための森林調査を空撮で実施。21年度は、昨年度に撮影して生成したオルソ画像から、さらにナラの木の群生エリアを特定するためのルートを策定して詳細な撮影を実施。併せて、これまで人が運んでいたことで非効率だった苗木の運搬を新たにドローンで代替、運搬に要する労力と時間を減らし、効率化を図る。

※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)

  20年度 実施内容 21年度 実施内容
物流 ・ LTE回線を使った
    自動長距離飛行(8km)の
    物資輸送を検証

 

・実用化に向けた新規のルート策定、
   機体の大型化に向けた飛行検証
・受発注システム導入に向けた要件定義
林業 ・ 森林調査の結果、
    ナラの木を判別できる
    可能性を確認
・ナラの木の群生エリアを
   特定するための、
   より詳細な撮影を実施
・苗木の運搬
普及啓発活動 ・オンラインによる
  ドローン活用事例を紹介
・ドローンに関する講習、操縦体験
・ドローンでの物流業務の講習

また、地域住民に向けたドローンの操縦体験、ドローンを活用した物流業務の講習、バッテリーの交換や配送ボックスへの積載など物流時の運用レクチャーを実施。子どもたちにもドローンを目にする機会を提供するため、講習会は地域の小学校体育館で、実証実験の際のドローン発着は小学校の校庭でそれぞれ行った。

(画像はパーソルP&T提供)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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