帝国データバンク調査、原油価格高騰など懸念か
帝国データバンク(TDB)は3月2日、ロシアのウクライナ侵攻が企業活動に及ぼす影響に関するアンケート調査結果を公表した。
自社の企業活動にマイナスの影響があると回答したのは61.0%に上った一方、影響がないと答えたのが17.3%、分からないが21.3%に達した。多くの企業が今回のウクライナ情勢をネガティブにとらえているものの、影響を図りかねている向きも一定数あることが浮き彫りとなった。
主要な10業界別の動向を見ると、「運輸・倉庫」は「マイナスの影響がある」が56.4%で最も多く、「ややマイナスの影響がある」も20.5%。両方のトータルで76.9%となり、マイナスの影響があるとみている割合が最大だった。原油価格高騰による軽油・ガソリン価格上昇を懸念している事業者が多いようだ。
「マイナスの影響がある」は小売(47.3%)、製造(39.0%)、建設(34.5%)なども多かった。
運輸・倉庫業の具体的な回答としては「原油価格高騰による燃料費増大が辛い」(北海道)、「レアアース、レアメタルなどの取引規制により、半導体などに供給不足が見込まれ、商品流通に支障が生じると思われる」(大阪府)といった声が聞かれた。
調査は2月25~28日にオンラインで実施。全国の1437社が有効回答を寄せており、運輸・倉庫業は78社だった。
(藤原秀行)