ウクライナ侵攻受け赤十字社やNPOなどに寄付
日産自動車は3月7日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアのサンクトペテルブルク工場の稼働を近日中に停止すると発表した。
既にロシアへの車両輸出はストップしており、現地の混乱を踏まえて対応を強化する。
同社は併せて、人道支援として総額250万ユーロ(約3億1300万円)を超える支援を行うことも公表した。「日産ケア基金(Nissan Cares Fund)」を創設し、従業員とその家族を含め、今回の危機に影響を受けている多くの人々を支援するための幅広い取り組みを進める。
人道支援の内訳は赤十字社とその他NPOに100万ユーロ(約1億2500万円)を寄付し、家族や子どもたちの命を救う支援や必要な物資を提供するため、現在進行中の緊急活動を支援。必要に応じて車両の寄贈も行う。
また、特別基金に今回の危機の影響を受けている国々の従業員とその家族に対して経済的な安定と継続的な支援を提供するため、150万ユーロ(約1億8800万円)を拠出する。状況に応じて転居費用や避難した家族の生活費、医療費、子どものための特別支援などに充てる。従業員やパートナーから特別基金への金銭や食料、衣料などの物資の寄付を受け付ける。
同社の内田誠CEO(最高経営責任者)は「『日産ケア基金』を設立し、従業員とともに、この計り知れない人道的危機に24時間体制で対応している国際的な取り組みを支援していく」とコメントした。
(藤原秀行)