コロナ禍で経営悪化し債務超過、自治体と連携し立て直し図る
公共交通事業の収益改善を支援するみちのりホールディングス(HD)は3月31日、経営難に陥っている佐渡汽船への約15億円の出資が完了したと発表した。
みちのりHDが予定通り、佐渡汽船株式の66.7%(議決権ベース)を保有する筆頭株主となった。今後、新潟県など地元自治体と連携し、佐渡汽船の経営立て直しを目指す。みちのりHDによる佐渡汽船救済は2月に発表済み。
佐渡汽船は新型コロナウイルスの感染拡大による旅客利用の激減などで経営が悪化、債務超過に陥った。みちのりHDグループ入りし、同社の経営再建ノウハウを活用、新潟の特産品輸送拡大などで収益改善を図り、佐渡島と本州を結ぶ唯一の定期航路継続に取り組む。
佐渡汽船の新社長には、みちのりHD傘下の湘南モノレール社長だった尾渡英生氏が3月31日付で就任した。佐渡汽船の従業員は引き続き雇用する。
みちのりHDと佐渡汽船は3月31日付で新潟県、佐渡市、上越市と佐渡航路の維持確保・活性化に向けた連携協定を締結した。
(藤原秀行)