生産ラインや保管棚のレイアウト変更にも柔軟に対応
シャープは4月7日、工場や倉庫などの業務効率化を後押しする無線デジタルピッキングシステム(無線DPS)の新製品を開発、同日受注を開始したと発表した。
無線DPSは工場や倉庫などの上位システムと連携し、商品のピッキングや仕分けの際、保管棚に設置したデジタル表示器のランプを点灯させ、作業者を誘導する。スピーディかつ正確な作業を実現する。
今春、新システムの開発に協力したトヨタ自動車の高岡工場(愛知県豊田市)に先行納入した。今後も顧客ニーズの多様化による多品種少量生産や人手不足などの課題を抱える製造業や物流業へ広く提案し、工場や倉庫などの業務効率化に貢献していくことを目指す。
利用シーン(イメージ)
新システムはデジタル表示器とホストコントローラーの通信を無線で行う上、デジタル表示器には電池を内蔵。配線が不要なので、生産ラインや保管棚のレイアウト変更にも柔軟に対応できるほか、台車やカゴ車、搬送ロボットなど、移動体への設置も可能。
また、Sub-GHz帯の周波数(920メガヘルツ)を使用しており、2.4ギガヘルツ/5ギガヘルツ帯域の無線LANとの電波干渉がなく、高速かつ安定した通信が行えるのがメリット。ホストコントローラーは、単独でも半径約30メートルの広範囲な通信が可能。利用範囲に応じて複数台を設置することで、より広い範囲をカバーできる。
デジタル表示器は内蔵電池と太陽電池を併用するため、最長約5年間の電池寿命を実現。手間のかかる電池交換や充電を気にせず長期間使える。さらに、ピッキングの正誤を「音」「光」「振動」で伝えるハンドリーダー(オプション)と組み合わせれば、人為的ミスを高精度で抑制できると見込む。
※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
■ 主な特長
1.無線通信の採用と内蔵電池により、配線の手間を抑え、生産ラインの変更や保管棚のレイアウト変更にも柔軟に対応
2.Sub-GHz帯の周波数を使用。無線LAN(2.4GHz/5GHz)との電波干渉がなく、高速かつ安定した通信が可能
3.デジタル表示器は、内蔵電池と太陽電池の併用により、最長約5年間の長寿命を実現
(藤原秀行)