三菱造船と商船三井、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のコンセプトスタディーを完了

三菱造船と商船三井、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のコンセプトスタディーを完了

空荷運航を解消、輸送効率向上目指す

三菱重工業傘下の三菱造船は4月18日、商船三井と共同で実施してきた、アンモニア輸送と液化CO2(LCO2)輸送の兼用が可能な輸送船の船型に関するコンセプトスタディー(概念研究)を完了したと発表した。

アンモニアは安定的なクリーンエネルギーとして将来の活用が見込まれ、海上輸送が増加すると予想されている。LCO2船も低・脱炭素社会を実現する手段の一環として注目されているCCUS(CO2の回収・再利用・貯留)のバリューチェーンを循環させる上で、回収・液化したCO2を貯留地や有効利用地へ効率的に輸送する手段の一つとして重要な役割を担うことが見込まれる。

三菱重工グループはCCUSによる2050年時点のCO2削減量を年間43億~130億トンと想定。今回コンセプトスタディーを実施した「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」は、往路でアンモニア、復路でLCO2を輸送する運用を目指す。それぞれの専用船を用いた場合、通常復路は空荷で運航することになるが、兼用化で空荷の運航を解消し、全体の輸送効率を向上できるとみている。


「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」のイメージ図

LCO2船イメージ動画

(藤原秀行)

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