空港施設とマーキュリアインベストメント、航空機投資対象のファンド設立

空港施設とマーキュリアインベストメント、航空機投資対象のファンド設立

コロナ禍後では国内初、まず年間500億円の運用規模目指す

国内主要空港の関連施設賃貸などを手掛ける空港施設(AFC)とマーキュリアホールディングス(MHD)は7月5日、MHD傘下で企業投資を展開しているマーキュリアインベストメント(MIC)がAFCと新たに航空機を投資対象とするファンド「マッハワン」を設立すると発表した。

新型コロナウイルス感染拡大後、日本企業が航空機を投資対象に据えたファンドを組成するのは初めて。

マッハワンの年間運用規模は500億円を目指す。事業会社や金融機関、年金基金といった機関投資家を主な出資者と想定しており、アンカー投資家としてAFCが出資。MICはマッハワンの運営に際し、アイルランドの資産運用会社Airborne Capital(エアボーンキャピタル)と連携、出資を受け入れる。


(プレスリリースより引用)

コロナ禍の後、世界的にコロナワクチンの接種が進み空港の水際対策が緩和されている中、欧米で航空需要が持ち直しているため、小型のリース機を軸に投資し、安定的な運用成績を挙げることを目指す。

MICは2017 年にマッハワンの前身となる航空機ファンドを組成、現在も運用している。MICはALCとタッグを組み、同ファンドで培った運用の経験をマッハワンでも生かしていきたい考え。

AFCは22~28年度の7年間を対象とする現行の中長期経営計画で、資本効率を意識した「リスクに強い事業ポートフォリオ」の構築を掲げている。AFC の海外事業は主にシンガポールやカナダの航空関連施設のファイナンスを核に行ってきたが、長期にわたり安定的な収益を生むグローバルな投資資産として注目を集める航空機を複数保有するファンドへの出資を行うことで、収益源の多様化を狙う。

同時に、ビジネスパートナーとしてMICやACLとの協働を通じ、航空機投資関連事業のノウハウを蓄積、今後当該分野への投資を拡大することを視野に入れている。

(藤原秀行)

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