液体化学品の総合物流事業を通じて効率的なサプライチェーンに貢献
商船三井は2月18日、グループ企業で液体化学品の海上輸送を手掛けるMOLケミカルタンカーズ(本社・シンガポール)が、同11日付でオランダ系化学品輸送企業「デンハートフホールディングス」の発行済み株式20%を取得したと発表した。
また出資後にデンハートフロジスティクスグループと業務提携契約を結び、タンクコンテナやパーセルケミカルタンカー、タンクターミナルによるエンド・ツー・エンドの総合的な液体化学品物流事業を共同推進していく方針だ。
デンハートフグループは 1万9000本超のタンクコンテナによる液体化学品・液化ガスなどの輸送を欧州および世界で展開。このほか7000 本のドライコンテナでポリマーや食品の輸送も行っている。さらに顧客の多様なニーズに応えるためM&Aを通じた積極的な成長戦略でグローバル化を進めてきた。
一方、MOLケミカルタンカーズは傘下のMOLノルディックタンカーズ(本社・オランダ)と合わせて、多種類の液体貨物が積載できる80隻強のパーセルケミカルタンカーから成る船体をグローバルに配船。液体化学品の海上輸送で市場をリードするとともに、世界有数の化学品生産地区であるベルギーのアントワープにタンクターミナルの建設・営業を目指すジョイントベンチャーを設立してケミカル総合物流企業への展開に取り組んでいる。
今回の資本業務提携を通じて双方が蓄積してきた専門知識・ノウハウ・資産を融合。既存サービスを継続しながら輸送ニーズにより柔軟で幅広く応えられる新たなサービス導入・実現し、液体化学品の効率的なサプライチェーンに資する総合物流事業を目指していく方針だ。
(鳥羽俊一)