景気後退リスク考慮、物流分野は対象外か
米アマゾン・ドット・コムは11月3日、従業員の新規採用を今後数カ月間、凍結すると発表した。
同社のベス・ガレッティ上級副社長が11月2日付で従業員に送ったメッセージを公開した。ガレッティ氏は「経済が不確実な場所にあり、過去数年間に採用した人数を考慮して、従業員の新規採用を一時停止することにした。異常なマクロ経済環境に直面しており、採用と投資と、経済情勢への配慮とバランスを取りたい」と説明した。
既にインターネット通販など小売分野で採用をストップしており、クラウドサービスや広告など他の分野にも対象を広げる。倉庫などの物流部門に関しては、ガレッティ氏は明言していないが、年末商戦を迎える中、採用抑制の対象外となる可能性がある。
米国内ではインフレに対抗するためFRB(連邦制度準備理事会)による金融引き締めが続き、景気後退への懸念が強まっている。アマゾンとしては、新規採用を見直し雇用調整に踏み切ることで対応したい考えだ。
アマゾンの2022年7~9月期の連結決算は純利益が前年同期比9%減となるなど、成長の鈍化が目立ってきている。
(藤原秀行)