24年4月1日から適用、年間拘束上限は「原則3300時間」に短縮
厚生労働省は12月23日、トラックドライバーの労働時間などを規制する「改善基準告示」を同日付で改正したのに伴い、改正内容を分かりやすく説明したリーフレットを公開した。実際の適用は2024年4月1日から。
改正はトラックドライバーのほか、タクシーやバスのドライバーに関しても同時に実施。トラックドライバーの長時間労働に関する規制が24年度から厳格化されるのに併せて改正する。
改善基準告示は違反しても直接の罰則はないが、労働基準監督署から是正勧告や指導を受けたり、国土交通省から車両の運行停止などの行政処分を科されたりする可能性がある。物流業界は業務の効率化など対策を急いで講じる必要がある。
トラックドライバーの改善基準告示改正に関するリーフレット
今回の改正は、拘束時間の上限を現行の「年間3516時間」から「原則3300時間・最大3400時間」に短縮。1カ月当たりでは現状の「原則293時間・最大320時間」を「原則284時間・最大310時間」に変更する。
それぞれ284時間を超える月が3カ月を超えて連続しないようを定めるなど、例外規定を見直す。
1日の休息期間は現行の「継続8時間以上」から「継続11時間以上を基本とし、9時間を下限」に修正。例外として長距離・泊り付きの場合は運行を早く切り上げ、ドライバーがまとまった休息を取れるよう例外を細かく規定する。
このほか、連続運転時間は「当該運転の中断は原則休憩とする」と明示。高速道路のSAやPAが混雑するなどして駐車・停車できず、連続運転時間が規定の4時間を超える場合、30分まで延長できることなども設定する。
(藤原秀行)