三菱商事とENEOS、ガソリンスタンド活用した宅配効率化事業で合弁へ

三菱商事とENEOS、ガソリンスタンド活用した宅配効率化事業で合弁へ

23年度に大規模実証開始を予定、26年度からの全国展開目指す

三菱商事とENEOSは1月5日、ガソリンスタンド(サービスステーション、SS)を拠点とした配送効率化事業の推進に向け、合弁会社(JV)を設立することで合意したと発表した。

ENEOSが全国1万2000カ所以上に張り巡らせているSSのネットワークを荷物の一時保管かつ最終配送拠点として活用し、最終配送拠点から配送先までのラストワンマイルを短縮、配送効率化に貢献していくことを目指す。

JVは2023年度前半をめどに設立する方向で、両社の折半出資とする計画。

まず23年度に高い宅配需要が見込まれる1都3県の100カ所のSSで事業化の可否を検証する大規模実証を開始。25年度までに500~1000カ所のSSへ事業を拡大していきたい考えだ。26年度から全国展開を含めた本格事業化を視野に入れている。

また、実証による知見・データを基に荷主の配送管理システムと連携することで、SSを活用するラストワンマイル配送を円滑に推進するための配送ソリューションシステムアプリを開発・提供、配送業界の更なる負担軽減や効率化にもつなげたい考え。

両社は、SSは全国の多様な地域を網羅しており、荷物配送の最終配送拠点として使うと大型倉庫からの直接配送に比べて必要な走行距離が削減できると分析。トラックドライバーの負荷軽減と配送コストの低減につながると見込む。

さらに、SSはそもそも、車両が円滑に出入りできるよう設計されている点がメリットになると強調。既存のSSを拠点として運用することで、拠点整備にかかる追加費用を低減させられるとみている。

世界的な脱炭素化の潮流に伴う化石燃料の使用抑制などで、中長期的にガソリンや軽油の利用は縮小していくと見込まれており、SSの新たな有効活用策を探りたいとの思惑もある。


構築する配送ネットワークのイメージ(プレスリリースより引用)

両社は既に、荷主企業やラストワンマイルの配送事業者らと連携し、SSを拠点とした配送オペレーションに関する実証を展開。事業主体を明確化し、事業化検証を加速させるため、JV設立に踏み切る。今後はJVとして、荷主のEC事業者や配送事業者、SS、配送パートナーらと実証を継続、事業の早期立ち上げを図る。

【JV設立概要】

会社名
Life Hub Network株式会社(仮)                                                                                                 
所在地
東京都千代田区(詳細協議中)
設立年月
2023年度前半設立予定
出資比率
三菱商事 50%、ENEOS 50%
事業概要・事業構造
SSを拠点とした配送効率化事業
サービス(実証)開始時期
2023年度前半開始予定

(藤原秀行)

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