1月の新名神足止め受け、中日本・西日本高速道路会社が対応方針公表
中日本高速道路(NEXCO中日本)と西日本高速道路(NEXCO西日本)は2月8日、新名神高速道路の一部区間で1月24~26日に大雪の影響で多くの車両が長時間足止めを強いられたことに関する検証結果を公表した。
両社は発生の原因として、大雪の影響に対する見極めの甘さや、東西の大動脈となっている新名神の通行を止めることへのちゅうちょなどを列挙。当面の対策として、大雪が見込まれる場合は「ちゅうちょなく通行止めを実施する」と明言した。
新名神での除雪作業(両社発表資料より引用・NEXCO中日本名古屋支社のTwitterアカウント投稿写真)
両社によれば、今回の大雪で、1月25日深夜に新名神で渋滞が約65.5kmに及ぶなど、大きな混乱が生じた。
両社はその背景として、
・新名神では渋滞が断続的に発生していたが、車両が完全に滞留して動かない状況になることへの見極めが甘かった
・渋滞による滞留が一時的と判断し、新名神以外の主要幹線道路(名神高速道路、名阪国道)が既に雪で通行止めとなっている状況下で、通行止めを実施すれば、車両が完全に滞留して、状況がかえって悪化するとともに、東西の大動脈の確保等の観点から、通行止めの実施をちゅうちょした
・通行止め運用ルールの徹底が図られておらず、関係機関との情報共有が不十分だった
――と総括。
その対策は、除雪能力を上回るほどの大雪が見込まれる場合は「予防的通行止め」を引き続き行うとともに、「その路線の担う役割の如何に関わらず、気象状況や道路状況等について関係機関と共有の上、『人命最優先』の基本的な考え方に基づき、徹底した出控え要請とともに躊躇なく通行止めを実施する」と強調している。また、こうした方針は事前に関係機関と運用方法について確認しておくことも記している。
また、高速道路のユーザーに対して、大雪が予想されることなどをメディアやSNSで広報してきたが、Twitterでは渋滞による滞留の解消作業や渋滞解消見込みを提供できていなかったなどと情報発信の問題点を指摘。
渋滞解消に長時間を要したことについても、渋滞による車両足止めは一時的と判断し、関係機関へ協力要請しなかったことなどに言及している。さらに、渋滞に巻き込まれたドライバーへの支援体制を強化することもうたっている。
(藤原秀行)