次世代の輸送手段として期待
ヤマトホールディングス(HD)は3月29日、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「KURONEKO Innovation Fund」(クロネコ・イノベーション・ファンド)を通じ、水面上を飛行する電動の「シーグライダー」を開発する米スタートアップのRegent Craft(リージェントクラフト)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
シーグライダーは地表や水面付近で翼が受ける揚力が大きくなる現象(地面効果)を活用し、水面上から数mほどの高さを飛行する地面効果翼機に分類される機体。
シーグライダーのイメージ図
シーグライダーは沿岸都市間を低コストで高速かつ安全に飛行し、旅客・貨物輸送ができる新たな輸送手段として開発が進められている。水面からの離着水時に機体下部から水中翼を伸ばし、振動が少ない安定した低速飛行が可能。さらに、バッテリーで駆動するため、飛行中にCO2を排出しないのもメリット。
リージェントは2022年に約5m(開発中の機体の4分の1スケール )の翼幅を持つ「シーグライダー」の無人飛行に成功。現在は有人化に向けた開発を進めている。
CVCのポートフォリオにリージェントを組み入れることで、新たな輸送手段になり得るモビリティの知見を深め、物流ネットワークの高度化に取り組む。
Regent Craftについて
設立:2020年11月
本社所在地:Rhode Island, United States
代表者:Billy Thalheimer
事業内容:電動の「シーグライダー」の開発・販売
(藤原秀行)※写真はヤマトHD提供