警視庁、携帯電話基地局整備の物流業務費用を水増し請求か
楽天モバイルの携帯電話基地局整備に関連した物流業務費用の不正請求事件で、警視庁捜査2課は4月5日、既に詐欺容疑で逮捕、起訴されている楽天モバイルの元物流管理部長、物流業務を受託していた日本ロジステックの元役員、同社からさらに業務を受けていた物流事業者TRAIL(トレイル)の社長の計3人を、別の詐欺容疑で逮捕した。
関係筋によると、今回は3容疑者が共謀し、物流費用を約9億円水増しして請求したことなどが疑われているもよう。3容疑者の認否は不明。
元部長は物流業務に関し、取引の内容に不正がないかどうかをチェックする立場にあったという。楽天モバイルの社内調査は元部長の証言などから、元部長が立場を悪用し、日本ロジステックの元役員やTRAIL社長を巻き込んで、楽天モバイルに対する業務費用の水増し請求を繰り返し、不正に得た資金は元部長ら3人に還流、私的に流用していたとの見方を示しているもよう。
楽天モバイルからの告発を受けた警視庁も楽天モバイルが携帯電話事業に新規参入し、基地局整備を急いでいたことを悪用して元部長らが不正な請求に走ったとみて、捜査を進めているとみられる。
不正が行われていたのは2019~21年と長期間にわたっており、不正請求で得た資金は相当な額になっていた可能性が大きい。
(藤原秀行)