量産に不可欠な型式指定、近く取り消し
国土交通省は4月25日、豊田自動織機が日本市場向けフォークリフト用エンジン2機種で、国が定める排出ガスの評価試験の際、データを差し替えるなどの不正行為を働いていたことが判明したのを受け、道路運送車両法に基づき、行政処分を科す前に同社の言い分を聞く「聴聞手続き」を実施した。
同社は担当者が国交省へ出頭して意見を述べる代わりに、陳述書を提出。国交省の判断には異議を唱えず受け入れる姿勢を示したため、行政処分を科すことが固まった。
国交省は近く、同法に則り、当該のエンジンに関して量産に不可欠な型式指定を取り消す。
同社は型式指定を再取得するまでの間、量産ができないため、業績にも影響は避けられない見通し。
同社は3月、不正行為に関し、排出ガスに含まれている有害成分の量が国内の環境規制値を上回っているにもかかわらず、基準をクリアしているように装っており、法令に抵触している疑いがあることが分かったと発表。当該のエンジンを使っているフォークリフトの国内出荷を停止することを決めた。
4月には当該のエンジンを搭載したフォークリフトとショベルローダー2車種・計7万2366台のリコールを国交省に届け出た。
(藤原秀行)