NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが運行管理のシステム連携実現
エアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYとKDDIグループのKDDIスマートドローンは7月6日、NEXT DELIVERYが開発を進めている、ドローン物流などに対応した独自のTMS(車両管理システム)「SkyHub TMS」とKDDIスマートドローンの運航管理システムを連携させると発表した。
SkyHub TMSは種類の異なる様々な荷物の管理を一元化し、トラックやドローンなど利用可能かつ最適な配送リソースに荷物を割り当て、荷物の動きの可視化・データ化を実現することで、地域物流を効率化する「新スマート物流システム」。
新たにマルチモーダル機能などを搭載し、ドローン配送時はKDDI スマートドローンの運航管理システムと連携することで、SkyHub TMSでドローンの運航計画の自動策定や運航状況のリアルタイム確認などを行えるようにした。
「SkyHub TMS」上でトラックとドローンのマルチモーダル機能が動作している画面イメージ
KDDIスマートドローンの運航管理システム画面
SkyHub TMS はエアロネクストとセイノーホールディングスが共同で開発し推進する新スマート物流「SkyHub」の全国展開においてコアとなるシステム。昨年10月にネバーマイルと業務提携契約を締結し、共同して開発を進めてきた。
SkyHubを社会実装している各地で実証実験を重ねてきた。新たにマルチモーダル機能などを搭載することで一段グレードアップしたTMSへと進化するとともに、KDDIスマートドローンの運航管理システムと連携することを可能にした。
トラック配送とドローン配送を組み合わせて効率化・管理するためのマルチモーダル機能を搭載したTMSは日本で初めてという。
マルチモーダル機能は荷物を緊急度、配送距離、重量、大きさ、内容などで分類して最適な配送手段を選別、配送管理する。一般的なTMSはトラックなど単一の配送手段のみの管理だが、SkyHub TMSはドローンなどの配送手段を組み合わせて管理することを可能にしている。
配達効率の悪い荷物をトラックの配送ルートから外し、その荷物はドローンに任せることで、地域配送全体を効率化できると見込む。
特にドローン配送は、KDDIスマートドローンの運航管理システムと連携し、複数のドローンが飛んだ軌跡を全てSkyHub TMSの一画面上で確認することが可能。また、ドローン着陸が荷物配送先に着陸して荷物を切離し、再離陸というアクションで、注文のステータスを完了にすることができる。同機能を備えているTMSは日本初と説明している。
一方、マルチロジック機能は配送員の経験などによって配送ルートを指定するロジックを使い分けるのが特徴。オプティマインドのラストワンマイル配送におけるクラウド型自動配車サービス「Loogia(ルージア)」で注文や車両を考慮し、最適な車両、順番に荷物を割り付けられる。
Loogiaの自動配送ルート指定機能を活かすことで経験の少ない配送員でも最適なルートで配送ができるようになり、反対に経験豊富な配送員はGoogleを用いて道路の混雑状況や駐車位置などのデータ化できない様々な知見を活用して配送ルートを自由に設定ができるようにしている。
「SkyHub TMS」上でマルチロジック機能が動作している画面イメージ
アップグレードした SkyHub TMSは新スマート物流SkyHubを社会実装している山梨県小菅村、北海道上士幌町、福井県敦賀市、茨城県境町、千葉県勝浦市で順次投入していく予定。トライアルパートナーの地域運送会社ともSkyHub TMSを通じてマルチロジック機能、マルチモーダル機能の実証実験を実施することを計画している。
ドローン運航システムを連携させたSkyHub TMSの活用により、「ドローン活用や公共交通の貨客混載などのマルチモーダル最適化」、「地域物流全体の配送最適化」、「持続可能な地域配送体制の構築」が可能になり、全国各地に展開している新スマート物流SkyHubの社会実装を一段と加速させていくと想定している。
(藤原秀行)※いずれもNEXT DELIVERYとKDDIスマートドローン提供