消火活動難航
オランダ沖を航行していた日本の正栄汽船(愛媛県今治市)保有の自動車運搬船「M.V. FREMANTLE HIGHWAY(フリーマントル・ハイウェイ)」で7月25日夜、火災が発生した。川崎汽船がチャーターしている。
現地メディアの報道や川崎汽船と正栄汽船の発表などによると、火災でインド国籍の船員1人が死亡した。世界最大規模の干潟で多様な生態系を保ち、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録されている「ワッデン海」の近くで、現地関係者らは環境への影響を懸念している。
川崎汽船と正栄汽船によれば、フリーマントル・ハイウェイはパナマ船籍で、ドイツからシンガポールへ向けて出港した後、現地時間7月25日午後11時45分(日本時間7月26日午前6時45分) に、オランダ沖で船艙から出火した。乗組員21人は全員インド国籍。
竣工は2013年で、全長約200m、全幅約32m。
現地関係当局や救助業者、船舶管理会社Wallem Shipmanagement(ウォーレム・シップマネジメント)と連携し、消火作業を進めているが難航しているもよう。
火災の原因はまだ特定されていないが、積み荷のEV(電気自動車)から火が出たとの情報がある。川崎汽船と正栄汽船によれば、現時点で油の流出は見られないという。
(藤原秀行)