使用済みEVバッテリーの有効活用およびリース事業の サービス品質向上を目指し整備作業用EVとして運用開始
EV(電気自動車)メーカーのフォロフライは10月5日、自社開発した国内初の1tクラスのEVバンを、大阪ガスグループでリース事業や安心運転教育事業などのモビリティ関連サービスを手掛ける大阪ガスオートサービス(大阪市)が初めて導入したと発表した。自社での車両メンテナンスサービスのための整備作業車として運用を開始した。
右:大阪ガスオートサービス導入車両
大阪ガスは今年1月、フォロフライと資本・業務提携を開始。大阪ガスオートサービスがフォロフライの商用EVをリース販売することで脱炭素社会の実現に貢献するのと同時に、リース車両として使用した同EVの車載蓄電池を定置用蓄電池(住宅や商業施設、病院、工場などの建物に設置し、電気料金の削減や停電時のバックアップ電源としての利用を主な目的とする蓄電池)に再利用する持続可能なサプライチェーン構築を目指す計画を発表していた。
今回の導入で車載蓄電池データを取得・分析し、大阪ガスの100%子会社KRIの劣化診断などの技術を組み合わせ、車載蓄電池を系統用蓄電池(電力系統の電力が余った時には蓄電し、不足した時には放電することなどで系統を安定化させることを目的に送電網と直接つなぐ蓄電池)として再利用するための検討を大阪ガスグループ内で始める。大阪ガスオートサービス株式会社は車両特性や整備に関するノウハウを蓄積し、リースや車両メンテナンスサービスの品質向上に取り組む。
サプライチェーン構築図(いずれもフォロフライ提供)
F1 VANは2022年9月に商用ナンバーを取得した後、現在は東京、千葉、埼玉などの関東圏、中部地域に加え北は北海道から南は沖縄まで全国で導入が進んでいる。2023年からは安全機能と利便性を向上させた新車種も展開。7月には商用車の電動化促進事業補助金対象車両に認定された。
(藤原秀行)