ニチレイ・大櫛社長、低温物流事業の2024年問題対応「ほぼ計画通りで心配していない」

ニチレイ・大櫛社長、低温物流事業の2024年問題対応「ほぼ計画通りで心配していない」

順調な進捗を強調、サーチャージ収受や業務改善で通期の営業利益予想引き上げ

ニチレイは10月31日、東京都内の本社で、2023年9月中間連結決算のメディア向け説明会を開催した。

大櫛顕也社長は、ニチレイロジグループ本社を軸として展開している低温物流事業に関し、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応はほぼ計画通り進んでいるとの認識を示した。

大櫛社長は通期(24年3月期)の連結業績予想のうち、利益を上方修正した一因として、低温物流事業が国内外で堅調に伸びているのに加え、人件費や燃料費などのコスト上昇をサーチャージ収受や業務改善による経費抑制でカバーできたことを挙げた。

同事業の通期予想は売上高を2550億円(前期比4.4%増)で据え置いた一方、営業利益は従来の153億円から160億円(同5.6%増)に引き上げたことを公表した。

2024年問題に関しては「デジタル化などを通じて省人化を進め、成果も出ている。新しい仕組みで幹線の運送効率を大幅に上げるよう取り組んでおり、ほぼ計画通りなので心配していない」と語った。

幹線輸送効率化の一環として、各拠点の貨物を集約する「ゲートウェイ(GW)機能」を持つ物流センターを東西2カ所に展開していることに触れ、「それ以外にも検討は必要なので、これから次の計画になると思っている」と説明、他の地域でも配置していく可能性を明らかにした。

(藤原秀行)

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