三井住友FGが米国で貨車リース子会社売却決定、840億円の損失計上へ

三井住友FGが米国で貨車リース子会社売却決定、840億円の損失計上へ

金融子会社への規制強化など受け

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は11月7日、傘下の米現地法人SMBCアメリカホールディングスが、米貨車リース子会社SMBC Rail Services(SMBCレール・サービシーズ)を、米投資会社のITE Management(ITEマネジメント)に売却すると発表した。具体的な売却額は開示していない。

三井住友FGは2024年3月期の第3四半期(10~12月)連結決算に、税引き後ベースで約5億6000万ドル(約840億円)の売却損を計上する予定。

三井住友FGは2013年にFlagship Rail Services(フラッグシップ・レール・サービシーズ)、17年にAmerican Railcar Leasing(アメリカン・レールカー・リーシング)をそれぞれ買収。2社が現在はSMBCレール・サービシーズになっていた。同社は貨車5万台以上を保有し、全米でトップ10に入る規模。

エネルギーなどの輸送需要増加を期待し、貨車リースに注力してきた。しかし、米国で近年、金融規制が強化され、対応に労力を要する上、貨車リース業界の競争激化もあり、収益を伸ばすのは厳しいと判断。米貨車リース大手を傘下に持つITEに売却することにした。今後は別の成長領域への投資に注力する。

(藤原秀行)

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