青森県知事、「2024年問題」で長時間労働規制の特例措置を政府に要請へ

青森県知事、「2024年問題」で長時間労働規制の特例措置を政府に要請へ

水産物など東京へ輸送で拘束時間オーバーの恐れ

青森県は11月9日、県庁内で開催した物価高騰緊急対策本部会議(本部長・宮下宗一郎知事)で、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」の影響について議論した。

県の担当部局からは、青森~東京間をトラックで水産物で輸送する場合、24年4月以降はドライバーの拘束時間が法定を超えてしまう恐れがあることなどを報告。荷主企業の協力を得て物流センターでの荷待ち時間削減や荷役作業の効率化を図る必要があると指摘した。

県内のトラック運送事業者や農林水産生産者団体などから、2024年問題は幅広い県の産業にマイナスの影響を及ぼすことを懸念する声が続出している点も紹介。そうした状況を踏まえ、政府に対して規制強化の特例的措置を講じるよう要望していく方針を確認した。

宮下知事が11月13日、厚生労働省を訪れ、要請するほか、同日開催の全国知事会議でもこうした方針を訴えていく見通しだ。

「週1回しか運行できず」

会議では、担当部局が県内からのトラック運行事例を紹介。この中で、八戸から東京へ約670kmを平均時速80kmで走行して水産物を運ぶ場合、1カ所で積み込み、1カ所で荷降ろしすると拘束時間は往路が15時間45分、復路が15時間になると指摘。弘前から東京へ約700kmを青果物で届ける際は、手積み3カ所・手降ろし1カ所では拘束時間が1日目は16時間、2日目が14時間半になると解説した。

規制強化後は拘束時間が1日当たり13時間以内・上限15時間で、特例の対象となる宿泊を伴う長距離貨物運送の場合でも週2回までに限って最長16時間に延長できると定められるため、この2つの輸送パターンは「1日目、2日目のいずれかの拘束時間を14時間以内にしなければ週1回しか運行できない」と危機感を募らせている。

同時に、「これまで通りの配車や輸送サイクルを維持するためには、荷主企業側の理解・協力による荷待ち時間の削減、荷役作業の効率化が必要となる」との見解を示した。

また、県内の事業者や生産者から「物流業だけで解決するような問題ではないので、荷主の理解とこれからの取り組みや対応策を双方で考える必要がある」「農林水産物は産地から輸送過程、消費地の各流通段階に多くの課題があり、産地では、軽労化に向けたパレットの導入やそれに伴う施設改修等が必要となる」といった声が出ていると引用した。

その上で、政府への要望として、「ホワイト物流」を確保するための取り組みを進めると同時に地域の実情に応じた柔軟なトラック物流を可能とするよう、1日の拘束時間上限15時間の規制を、場合によって緩和する特例的な措置を講じることを盛り込んだ。

また、物流効率化に関する補助事業のメニュー充実と弾力的な運用、産地と消費地双方での物流改善促進の対策なども求めている。

宮下知事は地元メディアに対し「特例(措置)を設けていただかないとそもそも物流が成り立たず、生産県として本県の競争力が大きくそがれる」と懸念を表明している。

(藤原秀行)

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