日販、ローソンやファミマへの雑誌・書籍配送から撤退を正式発表

日販、ローソンやファミマへの雑誌・書籍配送から撤退を正式発表

25年度には営業赤字50億円超と予想、今後も改善見込めず

出版取次大手の日本出版販売(日販)は11月24日に公表した2023年9月中間決算で、コンビニ店舗への雑誌・書籍配送から25年2月末をめどに撤退する方針を正式に表明した。

日販は全国のローソンとファミリーマートの約3万店舗に配送してきたが、雑誌や書籍の販売量低下、物流コストの高騰などで収益が悪化しており、今後も回復は見込めないと判断した。

撤退後は同じく取次大手のトーハンが引き継ぐ方向で調整している。トーハンはセブン―イレブンへの配送を手掛けており、日販とトーハンで合意に至れば、コンビニ大手3社への雑誌や書籍の配送は全てトーハンが手掛けることになる。

日販によると、雑誌・書籍のコンビニ配送の売上高は14年度の814億円から22年度は317億円と半分以下に落ち込んでいる一方、配送件数と運賃は横ばい傾向にある。営業損益は15年度以降、赤字が続いており、22年度は32億円を記録。23年度も中間期で16億円の赤字に陥っている。

日販は今の状態が継続すれば、25年度には営業赤字が50億円を超えるとの見通しを提示。「企業として経営健全性を高め、取次事業を持続するため、撤退する」と説明している。

(藤原秀行)

経営/業界動向カテゴリの最新記事