被災市町への人員増強、迅速な復旧後押し
石川県の馳浩知事は1月6日、能登半島地震で県内各地が甚大な被害を受けているのを踏まえ、県庁として「非常事態宣言」を出し、職員全員が災害対応を行う体制にすると発表した。
人員を増強し、被災した県内自治体の支援や政府との情報共有を強化、迅速な復旧を実現したい考え。一部の職員に負担が過度に集中しないようにする狙いもある。
馳知事によると、県庁からは既に被害が大きい6市町に計12人のリエゾンを派遣するとともに、物資の搬送拠点として活動している金沢市の「産業展示館」には30人以上を配置。併せて、政府との調整役として西垣淳子副知事がトップを務める20人規模のチームを編成、活動している。
非常事態宣言に伴い、さらに人員を増強し、6市町にローテーションを組んで県職員の事務職・技術職を各10人、合計で60人程度送り込み、職員全員が災害に対応する体制に移行する。
また、被災地の避難所が混雑、過密化しているため、被災地以外の旅館やホテルを「2次避難所」として機能させるよう準備を急ぐ。その前段として、1月8日にも、暖房や水道・トイレを備える金沢市の「いしかわ総合スポーツセンター」を「1.5次避難所」として、避難した人を収容することを想定している。
併せて、「被害者生活再建支援制度」を活用、被災者の生活再建を強力に後押しする。
馳知事は1月6日に開催した災害対策本部員会議で「能登方面へ向かう道路は深刻な渋滞が発生し、救援活動や物資の搬送に大きな支障を来している。おにぎりの消費期限切れの問題もある」と指摘。個人的なボランティア活動や不要不急の用事のために能登へ入るのは「厳に控えていただきたい」と重ねて呼び掛けた。
今回の能登半島地震は、これまでにない未曽有の大災害であることから、能登を救うために、県庁として「非常事態宣言」を発出し、職員全員が災害対応を行う体制にすることを決定。… https://t.co/rUIEoAXhmA
— はせ浩(馳浩)石川県知事 (@hase3655) January 6, 2024
(藤原秀行)